家賃交渉

家賃を上手に交渉するコツ

家賃を安くするために交渉してみよう

家賃は必ずしも固定されたものではないため、不動産会社や大屋さんと交渉することで、家賃を下げられるかもしれません。
「そもそも家賃交渉ってできるの?」と思う方も多いかもしれませんが、大屋さんや不動産会社も、入居者を確保するために柔軟性を持っています。そのため、交渉は一般的なことです。
成功率は条件によって変わってきますが、それなりの確率で成功します。
たとえ交渉に失敗しても、その物件を借りられなくなることはないので、積極的に交渉するといいでしょう。

そもそも家賃はどうやって決めている?

まず、家賃はどう決まっているのかというと、基本的に需要と供給のバランスによって決まります。
しかし、需要と供給のバランス以外にもさまざまな要素が影響します。物件の構造や築年数、立地、間取りなどです。
他にもオートロックといったセキュリティ、駐車場の有無などの設備も家賃を決める要素となります。
周辺の家賃相場も家賃に大きな影響を与えます。

このようなさまざまな情報をもとに大家さんは家賃を決定しているのです。
また、近年では不動産投資の対象となっている物件は不動産投資会社が家賃を決めている場合もあります。

家賃交渉でいくら下がる?

「家賃を5,000円下げたい」「一万円以上、家賃が下がるなら・・・」と希望を抱くかもしれませんが、そこまで大きな交渉が通るのは稀です。
家賃交渉で下げられる相場は家賃の4~5%前後ではなないでしょうか。
一般的に家賃交渉で下がるとしても、1,000~2,000円程度と思ったほうがいいでしょう。

家賃交渉を成功させるには

家賃を値下げしてもらうにはきちんとした根拠を示したうえで適切な資料を設定することが大切です。
具体的な資料もなくやみくもに交渉しても、受け入れてくれないでしょう。

家賃の相場を知っておく

大屋さんや不動産会社としても空き部屋はできるだけ避けたいものです。だからといって、赤字になるような値下げはしてくれません。
そのため相場を調べておくことが大切です。家賃は「賃貸事例比較法」という方法で決められている場合が多いので、同じような条件の物件と比べて交渉すると成功しやすいでしょう。
ただ、人気があるエリアだと家賃交渉は期待できません。立地のメリットがあるため、ニーズがあり強気な家賃設定をしているためです。
家賃交渉をするなら、そういったエリアは避けたほうがいいでしょう。
交渉時も的外れな交渉ではなく、根拠をもって交渉してください。あまりにも相場とかけ離れた家賃で提示すると、常識のない人だと思われてしまいます。

値下げ交渉の根拠になるものとは

家賃の交渉の余地がある物件の特徴として、立地が悪い・築年数が古い・空き室が多いなどの点が挙げられます。
特に空き室が多いというのは、何らかの理由で入居者が集まらないという問題が生じているためです。
大家さんや不動産会社としてはなるべく空き室を減らしたいので、家賃を下げてもらいやすい状況といえます。交渉に応じてもらいやすいでしょう。
その際、空き室期間がどのくらいなのか、空き室期間が長い理由を聞いてみてください。
内容によっては住まないほうがよいかもしれませんが、問題なければ値下げの材料になります。

住む意思を示す

交渉は申し込み時に行うといいでしょう。
何件も候補に挙げた状態で値下げ交渉するのではなく、内覧を行い、ここに住みたいという意思を示すことで本気度が伝わります。
しっかり条件を確認したうえで、受け入れてくれそうな範囲でお願いすれば、相手も受け入れやすいでしょう。

繁忙期は避ける

交渉が繁忙期に重なる場合は要注意です。引っ越しや転勤の多い繁忙期は新しい入居者が決まりやすいからです。
空き室があっても新しい入居者がいると、家賃交渉に応じてもらえません。
一般的に不動産業界の繁忙期は1~3月といわれています。家賃交渉をするなら繁忙期は避けましょう。
一方、ねらい目はニーズがあまりない7~8月、10~11月です。この時期は入居希望者が少ないため、多少の値下げも応じてもらいやすくなります。
交渉には絶好のタイミングといえるでしょう。また、更新時期の家賃交渉でも有利です。

最後はお願いベースで

家賃の決定権を持つのは大屋さんですが、大屋さんと直接交渉するより、不動産会社に物件を紹介してもらうケースがほとんどです。
その場合、交渉相手は不動産会社になります。不動産会社を応じなければ、家賃交渉は失敗です。
そのため家賃交渉において不動産会社を味方につけることができるかがカギとなります。
不動産会社としては、家賃交渉時に家賃を下げるか判断する前に、住んでほしい人であるかを見ています。
態度があまりにも横柄だったり、強引だったりすると「この先、何かトラブルを起こすのでは?」と思われてしまい、家賃交渉どころか賃貸契約も成立しないかもしれません。
交渉時には「すごく気に入ったが予算をオーバーしているため、相談に乗ってほしい」とお願いベースで伝えるといいでしょう。

家賃交渉に失敗して入居したら気まずくなる?

家賃交渉に失敗しても気まずくなることはありません。
昔ながらの大家業をやっている大家さんだと、接点はあるかもしれませんが、ほとんどの賃貸物件は管理会社に委託しているので、入居後に大屋さんと直接かかわることはないといっていいでしょう。
管理会社も多くの物件を管理しているので、入居時の交渉まで覚えていることはほぼありません。

入居後の家賃交渉は可能?

入居後も家賃交渉は可能ですが、契約交渉を見直すタイミングである契約更新のタイミングとなります。
ほかにも物件の売却により大家さんが変わった場合、家賃を交渉するタイミングとしてよいかもしれません。
もうひとつは雨漏りによる物件の劣化や近隣から大型スーパーの撤退など、利便性に変化があり、物件価値が下がった場合も家賃交渉の余地があります。
ただ、更新時期でないタイミングで交渉すると、更新まで待ってほしいといわれる可能性が高いです。
更新時期になったら不動産会社へメールや電話で家賃交渉したい旨を伝えましょう。

その際、良好な関係を築いておくと交渉もスムーズです。特別なことをする必要はなく、出会ったら挨拶をしたり、共有スペースをきれいに使ったりするだけで関係は良好になります。
こうした普段の気遣いが、交渉時に有利に働くでしょう。

住み替えの検討も

家賃交渉を成功させるには簡単ではありません。状況によっては住み続けるよりも、より家賃の安い物件へ住み替えを検討してもいいでしょう。
新たに家賃の安い部屋に住み替えることで、月々の家賃負担は軽減されます。しかし、賃貸物件は初期費用がかかるため、トータルコストで比較することが大切です。
例えば家賃8万円の物件から、7万円の物件に引っ越したとします。2年間入居することを前提した場合、計算してみましょう。
まず家賃8万円の物件に2年間住み続けた場合、8万円×24ヶ月=192万円となります。
次に家賃7万円の物件に引っ越した場合、7万円×24ヶ月=168万円ですが、引っ越し時の初期費用がかかります。
初期費用は家賃の5ヶ月分とされているため、7万円×5か月=35万円かかります。合計で203万円です。
他にも引越し費用や家具家電の買い替えによる諸費用もあるため、結果的に2年間であれば住み替えよりも入居し続けたほうが安く済むケースも少なくありません。
そのため、住み替えを検討するなら入居期間をもとに計算して、最終的なコストから判断することが大切です。

家賃相場の調べ方

賃貸物件の家賃の相場を知るためのポイント
家賃の相場を知ることは重要です。

物件の立地条件や周辺環境を考慮する

まずは周辺エリアの同様の物件の家賃相場を調査しましょう。
インターネットや情報誌などで調べ、同じエリアの物件の家賃を比較します。
ただし、条件や設備によって家賃は異なるため、できるだけ類似点の多い物件と比較することが大切です。
物件の駅からの距離や交通の便、周辺にある商業施設や公園などの利便性や魅力度は、家賃に大きく影響します。
一般的には、駅から近くて便利な場所ほど家賃が高くなります。

物件の築年数や設備をチェックする

物件の築年数は、建物の耐震性や断熱性、防音性などに関わります。
設備もエアコンや浴室乾燥機、オートロックなどの有無や種類によって家賃に差が出ます。
一般的には、新築やリノベーションされた物件や設備が充実した物件ほど家賃が高くなる傾向です。

物件の間取りや広さを比較する

物件の間取りや広さは、住み心地や収納スペースなどに影響します。バルコニーの有無や方向、日当たりなども重要です。
一般的には、間取りが広くて使い勝手が良い物件や日当たりが良い物件ほど家賃が高くなります。

同じエリアや同じタイプの物件と比較する

適正家賃を知るためには、同じエリアや同じタイプの物件と比較することが必要です。
インターネットや情報誌などで、自分が希望する条件に合う物件を探して、家賃や条件を比べてみましょう。市場相場よりも高いか安いかを判断できます。

相場より高い物件の理由とは

周囲の相場より家賃が高い物件は、以下のような理由が考えられます。

・新築または築浅物件
・駅から近いなど立地条件がよい
・高階層の部屋
・設備が整っている
・鉄筋コンクリート造など

当然のことながら、新しくきれいな物件は人気があるため、家賃も高くなります。

相場より安い物件の理由とは

一方で相場より安い物件は以下のような理由が挙げられます。

・築古物件
・立地条件が悪い
・低階層
・木造など

築古物件は特に定義は決まっていませんが、築年数が15年以上の物件と言われることが多いようです。
最寄駅からかなり遠い場合や線路沿い、歓楽街の近くなどは立地条件から家賃が安めです。
木造も防音性の低さから家賃が低めに設定されています。